小さな話でいうと、設計書の目的は何か。そもそも設計書は必要なのか。なぜ作るのかなどを明確にすべきである。これは会議や議事録でも同じである。 もう少し上位のレイヤで考えると「この仕事におけるSEの役割は何か」「PMの役割は何か」「お客様は何を目的としてこのシステムを作るのか」を明確にすべきである。「ここは一部手作業が必要ですが、その代わりコストはこれだけ下がります。」と言って喜ばれる場合もあるが、「手間を省くためにシステム化しているから高くてもいい」と思われるかもしれない。 また、「ユーザに一番喜ばれるシステムを作りましょう」と頑張っても、顧客の担当者は、「面倒なことはしなくてもいいから、確実に動くものだけを作ってくれ」と言うかもしれない。ひどいときは、「上司が権限を持っているから、上司の言うとおりにさえ作ってくれればよい」と思っていることもあるだろう。 特にプロジェクトでは目的を明確にしておかないとメンバーがバラバラの考えで仕事を進めてしまうので、良いものができない。たまにドキュメントを異常に丁寧に作るSEがどの案件でも莫大で綺麗なドキュメントを作ることがある。お客様がそれを求めているのならそれでいいが、そんなことをするくらいなら、その分安くしてと考えているお客様もいるはずだ。 目的を明確にすることで、意味のないドキュメント作りをやめる。「誰も読まないドキュメントを作る意味があるのか?」ということを考えてほしい。提案書や完成図書で何百ページの資料を作ったとする。それを読んでくれるなら作る価値はあるが、読めるわけがない。

スポンサードリンク