後輩を育成するときに、ついつい教え過ぎてしまうことがある。
これはどうだろう。
「野村ボヤキ語録 人を変える言葉、人を動かす言葉 (角川oneテーマ21) 」には、「大リーグに「教えないコーチが名コーチ」という言葉がある」と書かれてある。つまり、本人に気付かせるのが大事ということだ。
同じく「野村ボヤキ語録 人を変える言葉、人を動かす言葉 (角川oneテーマ21)」では、野村監督は自分が若い現役のころ、鶴岡監督からの指導として、「「ボールをよく見て、スコーンと打て」私が若かったころ、鶴岡監督からのバッティングのアドバイスはいつもこれだけだった」とある。
教えられたのではなく、自分で考えたのだろう。

私も、教え過ぎてはいけないと思う。マギー司郎さんの著書「生きてるだけでだいたいOK “落ちこぼれ”マジシャンが見つけた『幸せのヒント』(講談社)」には、「あんまり教えると、その人の長所が伸びなくなってしまうからね」と述べられている。

加えて、羽生善治氏の「決断力」には、「教えられる側の依存度が高くなると問題だ」というタイトルにて 「受け身の姿勢だけでただ教わるというのでは、集中力や思考力、気力といった勝負に必要な総合的な力を身につけることはできないだろう。要は、本人がどういう姿勢で教わるかが大事だと思っている」

具体的な育成方法であるが、哲学者オイゲン・ヘリゲル氏のロングセラーである「弓と禅」(福村出版)には、「師の演技と模範に対して弟子が自己をうちこみこれを模範すること、これが指導の基本的な関係である」と述べられている。つまり、教えるものが模範を示すことが基本であると思う。教えず、真似してもらう。これが育成というものなのかもしれない。