以下に応募しましたが、こちらも選考外。
http://www.cmsite.co.jp/kandou/oubo/


【作品タイトル】
業務命令

【テーマ】
上司は会社のことだけを考えているわけではない

【プロット】600文字程度
「つべこべ言うな。業務命令だ」
というのが上司の口癖。会社の業績ばかり考え、自分の出世のために、部下に仕事を押し付ける。俺たち部下の気持ちなんて全く頭に無いだろう。私は今の上司が嫌いだ。
 私は妻の妊娠が分かってから、早く帰ってあげたかった。しかし、システムを作り上げるまでは終電帰りが続く。
 
 ある日、妻が大量出血をして急きょ入院することになった。携帯にかかってきた電話での様子では、妻は大きく取り乱していた。今すぐ妻のもとに向かいたいが、そんなことを理解してもらえる上司ではない。妻には頑張ってもらうしかない。
 
 ところが、妻との電話のやり取りから、上司が気づいた。上司が詳しく聞いてくるので、私は事情を説明した。すると上司は意外にもこう言った。
 「すぐに奥さんのところへ行きなさい」
 私は「このプロジェクト、私が抜けたら失敗しますよ」と反論した。
 「そんなことはお前が心配する必要ない。俺が責任を取る。今すぐ帰るんだ。これは業務命令だ」
 その言葉に「ありがとうございます」と大きな声でお礼を言い、急いで妻の元へ向かった。妻の元へ向かう間、妻には無事であった欲しいという思いを強く持った。同時に、上司も部下のことを想ってくれているんだと初めて感じた。
 
 残念ながら妻は流産してしまった。大声で「ごめんなさい」「本当にごめんなさい」と泣き崩れる妻。初めての子供を楽しみにしていただけに、ショックは大きかったようだ。
 しかし、妻は「SEの仕事は毎晩遅いけど、大事なときにそばにいてくれることが分かった。本当に心強い」と言ってくれた。私は上司のおかげで、妻のこの表情を見ることができたのだ。
 週末には妻が退院できる。最近好きになった上司に感謝しながら、2人きりで少しゆっくりしよう。

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