SE(システムエンジニア)の仕事は、つらいことばかりではなく、悲しいこともたくさんあります。
以下の本で書くことができなかった、SEの悲しいときを紹介します。



■■■見積もり額が鶴の一声で一瞬で減らされるとき
SE(システムエンジニア)の仕事は開発をするだけでなく、工数の見積もりも大事な任務である。
正確な工数を見積もり、そして会社に利益をもたらさなくてはいけない。大事なミッションである。

そこで、SE(システムエンジニア)はシステム開発の工数見積もり、物品費や保守費などを見積もり、総額の原価を営業担当に提示する。
しかし、受注をとるためには値段を下げる必要があると言われ、開発工数(人件費)を大幅に減らされることがある。
苦労して作った見積もりが一瞬で減額されることに落ち込むSE(システムエンジニア)- Copyright (C) viva-se.net システムエンジニアの仕事
画像: 苦労して作った見積もりが一瞬で減額されることに落ち込むSE(システムエンジニア)

ちっぽけなプライドかもしれないが、SE(システムエンジニア)は、ある程度の高い単金をもらって仕事をしているという自負がある。それを格安の工数にされてしまうと、「私たちの仕事の価値はその程度か?」と思えてしまう。一気にモチベーションが下がる。
それだけではない。格安で受注すると、リスク費用が無い。追加で物品を買ったり、協力会社での追加作業をお願いする必要もある。そういうことが出来なくなる。わずか100万円の外注するお金がないために、無理な設計になり、無駄にサービス残業をすることもある。
厳しい価格競争の世界は、なんとかならないものだろうか。


■■■趣味を聞かれて、パソコン以外に答えられない自分に気が付くとき
SE(システムエンジニア)は、仕事が忙しくなると、会社とコンビニと家の3か所しか行かなくなる。
毎日、その3か所の往復である。

しかしそれは、仕事が忙しくなくても同じだったりする。
暇になれば、単に家でパソコンに向かう時間が長くなるだけかもしれない。

学生時代の仲間などと話をしていて、趣味の話になると、趣味がない自分に気が付く。
「えーさみしい」というリアクションを受けることもある。
趣味といえば、インターネット。
またはプログラムなど、パソコンがらみのものだ。
友達の、憐れな人見るような目を見ると、ちょっと悲しくなる。
イラスト:バーベキュー場にまでパソコンを持っていくSE(システムエンジニア)- Copyright (C) viva-se.net システムエンジニアの仕事
画像: バーベキュー場にまでパソコンを持っていくSE(システムエンジニア)

参考であるが、私の趣味はというと・・・
「昔の音楽を聴いて、昔を懐かしみ、昔は楽しかったなーという思いにふけること」である。
この話をすると、「寂しい」と鼻で笑う人もいるが、「わかるわかる。それ、めっちゃ楽しい」と言ってくれることが多い。皆さんもどうです?


■■■嘘偽りの報告書を書いているとき
SE(システムエンジニア)の仕事をしている中で、お客様の指示通りにやったり、お客様のミスでトラブルになることもたまにある。
お客様の責任者から報告書を求められるのであるが、事実は書けない。お客様の非難になるからだ。
だから、嘘を書くのである。
でも、嘘を事実にするためのロジックが整理できないものだ。
そんなことを徹夜で議論して報告書を出し、さらにお客様に怒られる。

「システムをきちんと動くようにするのがSE(システムエンジニア)の仕事ではないのだろうか?」
「嘘をついたり、お客様にとりつくろうことが、SEの仕事なのか?」
「自分は一体何をやっているんだろう?」
と泣きたくなる。
イラスト:ミスを自分のせいにさせられて悲しむSE(システムエンジニア)- Copyright (C) viva-se.net システムエンジニアの仕事
画像: ミスを自分のせいにされて悲しむSE(システムエンジニア)


■■■夜明け
「SEあるある」(技術評論社)の巻末アンケートにもあったが、トラブル続きや、終わらない仕事をしていて、夜明けというのはなにか悲しい。いろいろな意味がある。
世間は眠っているのに、自分は夜通し仕事をしているのであったり、時間ばかりが経過して仕事が進んでいないことであったりである。また、切りのいいところで仕事を終えて眠ろうと思っていたら、もうすぐ朝ということでまた仕事をしなければいけないというしんどさもある。
イラスト:徹夜しても終わらず、夜明けに悲しさを感じるSE(システムエンジニア)- Copyright (C) viva-se.net システムエンジニアの仕事
画像: 徹夜しても終わらず、夜明けに悲しさを感じるSE(システムエンジニア)


■■■SEをやっていて、悲しくなったエピソード
「SEあるある」(技術評論社)の巻末に掲載した「悲しくなったエピソード」。ここで書けなかったものをいくつか紹介する。どれも、現場の悲しさが伝わってくる。

「1日誰とも話さないとき」(39歳男性)
 →人間の本来の生活はどうあるべきなんだろうか?
 
「メンバーが開発途中で連絡がつかなくなった時」(43歳男性)
 →私も、失踪したくなったことは一度ではない。「探さないで欲しい」と書き置きしたい気持ちも分かる。
 
「顧客の対応が二転三転どころか、ミーティングするたびに違うことを言いだして、いつまでたっても仕様をFIXできないこと」(51歳男性)
 →言う方の立場になってみたい

「プロジェクトが難航したとき、グループ会社の管理職が真っ先に自社の立場を主張し始めたこと。(パートナー会社の方がずっと誠実な対応だった)」(58歳男性)
 →皆が自社の都合だけを言ったら、プロジェクトはうまくいかない。

「システムが終焉を迎えたり、新しいシステムに入れ替わるとき」(31歳男性)
 →古きよきものが無くなるのは寂しいものだ。

「担当者はスマホで遊んでて仕事しないこと」(40歳男性)
 →恐らく、お客様であるシステムの担当者のことであろう。一緒に考えてくれたり調査してくれるお客様がいることも事実ではあるが…

「必死に調査してどうにか形にした仕様が、要件変更で全く使い物にならなくなった」(31歳女性)
 →無駄に終わると、それまでの時間と苦労が全否定されたような気持ちになる。つらい。
 
「さんざん打ち合わせを行ったのに、打ち合わせにない要望を後だしされたとき」(39歳男性)
 →そういう人、いる!
 
「システムより政治が重視されたとき」(48歳男性)
 →やりたくないパートナーと政治的な理由で組まされることがある。しかもその会社がの仕事の品質がありえないくらいに悪い。

戦略的というカッコいい名前の、単なる激安受注


スポンサードリンク